封筒の宛名や住所の正しい書き方は?手書きのビジネスマナーも紹介

封筒とボールペン

近年はスマートフォンやパソコンの普及で手書き文字を書く機会が減っていますが、封筒に宛名や住所を書く際は手書きの人が多いのではないでしょうか。封筒に宛名や住所を書く機会は日常生活や仕事などさまざまなシーンで必要なため、正しい書き方を覚えておきましょう。今回は、封筒への宛名・住所の正しい書き方やビジネスシーンでの書き方について解説していきます。

封筒への宛名・住所の正しい書き方

封筒には大きく3つの種類があり、種類ごとに正しい書き方が異なります。場面によって使う封筒は異なるため、それぞれの正しい書き方を把握しておきましょう。

 

  •  和封筒
  •  洋封筒
  •  A4封筒

 

和封筒の場合

和封筒とは、長方形の短い辺に封の入り口がある縦型の封筒のことです。一般的にフォーマルな場面で使われることが多く、ビジネスシーンにおいては請求書や契約書など幅広い場面で使われます。和封筒に宛名や住所を書く場合は文字を縦書きにし、以下のルールを守りましょう。

 

  •  切手は封筒の左上に貼る
  •  郵便番号は右上の枠の中に、枠がない場合は右上に記入する
  •  住所は郵便番号枠の右にそろえるように書き、枠から1文字分下げて書き出す
  •  住所などを改行する場合、1行目の頭から1文字分下げて書き出す
  •  名前は封筒のまん中に書き、住所の頭から1文字分下げて書き出す
  •  住所より名前を大きく書く

 

裏面には、差出人の郵便番号・住所・宛名を書きます。裏面に郵便番号枠がある場合は、以下のルールに沿って宛名や住所を書きましょう。

 

  •  封かん日は左上に記載する
  •  封かん日以外は左下に記載する
  •  住所は郵便番号枠の右にそろえるように書き、枠から1文字分下げて書き出す
  •  名前と住所の末尾をそろえる
  •  住所より名前を大きく書く

 

裏面に郵便番号がない和封筒の場合は、郵便番号・住所・宛名を封筒のまん中に書きます。その際も、位置以外のルールは上記と同じです。差出人の名前は、貼り目の線にまたがないよう左側に記載しましょう。

洋封筒の場合

洋封筒とは、長方形の長い辺に封入口がある横型の封筒のことです。和封筒と比べるとカジュアルなシーンで使われることが多く、招待状やメッセージカードなどに使われます。郵便番号の枠がある洋封筒に宛名や住所を書く場合、以下の書き方のルールを覚えておきましょう。

 

  •  切手は封筒の右上に貼る
  •  郵便番号は左下の枠の中に記入する
  •  住所は封筒の上部の左端から2文字分空けた場所から書き出す
  •  住所などを改行する場合、1行目の頭から1文字分下げて書き出す
  •  名前は封筒のまん中に書き、住所の頭から1文字分下げて書き出す
  •  住所より名前を大きく書く

 

郵便番号の枠がない場合、郵便番号を書き出す位置は左上の住所のさらに上の部分になります。住所と同じく封筒の左端から2文字分空けた場所から書き出し、住所と頭をそろえましょう。切手・住所・宛名の位置は基本的に変わりません。

洋封筒でも、裏面に差出人の郵便番号・住所・宛名を記載します。その際の書き方は以下のとおりです。

 

  •  封かん日は左上に記載する
  •  郵便番号はまん中の枠の中に、枠がない場合はまん中に記入する
  •  郵便番号と名前の頭をそろえる
  •  名前と住所の末尾をそろえる
  •  住所より名前を大きく書く

 

A4封筒の場合

A4封筒はA4の書類を折らずに入れることができるサイズの封筒のことで、履歴書や折ってはいけない重要な書類を入れるのに適しています。A4封筒はほかの封筒よりもサイズが大きいため、宛名や住所を書く際はボールペンより太いペンを使うのがおすすめです。A4封筒は和封筒のように縦に使うのが一般的であり、宛名や住所の書き方のルールも以下のとおり和封筒とほとんど同じです。

 

  •  切手は封筒の左上に貼る
  •  郵便番号は右上の枠の中に、枠がない場合は右上に記入する
  •  住所は郵便番号枠の右にそろえるように書き、枠から1文字分下げて書き出す
  •  住所などを改行する場合、1行目の頭から1文字分下げて書き出す
  •  名前は封筒の中央に位置するように書き、住所の頭から1文字分下げて書き出す
  •  住所より名前を大きく書く

 

ただし、裏面は和封筒と異なり封かん日を右上に記載します。そのほかの書き方は、以下のように和封筒と同じです。

 

  •  封かん日以外は左下に記載する
  •  住所は郵便番号の右にそろえるように書き、1文字分下げて書き出す
  •  名前と住所の末尾をそろえる
  •  住所より名前を大きく書く

 

ビジネスシーンで封筒に宛名・住所を書く際の正しい書き方とマナー

ビジネスシーンで封筒に宛名や住所を書く場合は、上記で紹介した書き方のルールに加え注意すべきマナーがあります。とくに以下の3つは基本的で重要なビジネスマナーのため、覚えておきましょう。

 

  •  宛名や住所は基本的に縦書きする
  •  会社名・部署名・役職を記載する
  •  敬称の付け方に気をつける

 

宛名や住所は基本的に縦書きする

ビジネスシーンでは、封筒の宛名や住所は縦書きが基本です。そのため、洋封筒を使うことはほとんどありません。縦書きの場合は、数字をすべて漢数字にする必要があるので気をつけましょう。会社名や宛名に英語が入っている場合は、そのまま縦に書いてください。

会社名・部署名・役職を記載する

会社宛に書類を送る場合は、会社名・部署名・役職のすべてを記載しなければいけません。住所のあとに少し空間を空けて会社名と部署名を書き、改行して役職名を書きます。役職名が五文字未満の場合は、名前の前に書くときれいにまとまります。会社名の頭と名前の頭はそろえて書き、それぞれ住所と同じまたは少し小さめに書きましょう。

敬称の付け方に気をつける

ビジネスマナーとして注意すべきなのが、敬称の付け方です。敬称には御中・様・各位などさまざまな種類があり、宛名によって使うべき敬称が異なります。ビジネスシーンでよく使う敬称と正しい使い方は、以下のとおりです。

 

  • 御中:企業や部署など団体に送る場合に使う(例:株式会社◯◯ ◯○事業部 御中)
  • 様:個人宛に送る場合に使う(例:株式会社◯◯ ◯○事業部 部長◯◯ 様)
  • 各位:複数に対して送る場合に使う(例:取引先 各位)

 

敬称は、重複させないように気をつけましょう。よくある間違いとして「株式会社◯◯ ◯○事業部 御中◯◯ 様」が挙げられますが、部署名を記載していてもそのあとに名前が続く場合は御中の敬称は不要です。

まとめ

封筒に宛名や住所を書く際は封筒の種類ごとに正しい書き方が必要のため、今回紹介した3つの書き方を参考にしてください。ビジネスの場合は、マナーを守ることも大切です。

封筒に宛名や住所を書く場合は基本的に手書きが多いため、美しい文字で書くこともマナーのひとつだといえます。手書き文字に苦手意識がある人は、東京・自由が丘にある書道研究 尚美社にご相談ください。大人専用のクラスで、プロの書道家が美しい文字になるための本格指導をいたします。