「人」の正しい書き方とは?書き順や美しく書くコツを徹底解説

書道の筆を持つ人

「人」という漢字は、日常生活やビジネスシーンなどさまざまなシチュエーションでよく使う漢字のひとつです。画数が少ない漢字のため書きにくく、きれいに書けないとお悩みの人もいるのではないでしょうか。今回は、漢字の「人」の正しい書き方や書き方のコツについて解説していきます。

「人」の詳細

「人」は、「じん」「にん」「ひと」などと呼ばれる2画の漢字であり、普段から多く使う漢字のひとつです。「一人」「恩人」「素人」「人種」などさまざまな熟語で使われているため、日常から頻繁に触れる機会が多い漢字だといえます。そんな「人」は2画しかないため、バランスを取りにくい漢字だともいわれています。「人」の正しい書き方を知って、美しく見える文字を目指しましょう。

「人」の正しい書き方

「人」を美しく書くためには、一画ずつ意識しながら丁寧に書きましょう。正しい書き順とそれぞれの注意すべきポイントは、以下のとおりです。

1画目:「ノ」を書く

「人」の1画目は、左にある「ノ」の形をした部分です。書きはじめはまん中の中心、上から書き出します。そこから、斜め下に向かって大きく右にはらいましょう。1画目の書き終わりは、細い線ではらうことで美しい「人」の字が仕上がります。カタカナの「ノ」を書くイメージをもってください。

2画目:「、」を書く

「人」の2画目は、右側の「、」の形をした部分です。1画目の中心部分から書きはじめ、しっかりと線の中から接することが大切です。書き終わりは、1画目より少し下に位置するように調整しましょう。

2画目は斜め左下に大きくはらいます。1画目よりも大胆にはらい、線を太くすることで美しい文字に見せることが可能です。線の途中でいったん筆を止めて、再度力を込めてはらうことで美しい「人」の文字が書けるようになります。

「人」を使った部首の正しい書き方

単体でもよく使う「人」は、人偏という部首としても頻繁に使われます。しかし、人偏は単体の人から変形しているので、上記の書き方とは違った書き方があります。ここからは、人偏の正しい書き方について解説していきます。

1画目:「ノ」を書く

人偏は中心よりも左に収まるように書かなければいけません。1画目の書きはじめは左側の中心の上からスタートさせ、カタカナの「ノ」を書くように右下に丁寧にはらいましょう。書き終わりは枠から出ないよう、まん中より下の位置が正しいです。左端はバランスが整っていればギリギリでも構いません。ただし、1画目が長すぎるとバランスが悪く見えるので気をつけましょう。

2画目:縦線を書く

1画目のまん中部分から、まっすぐ下へ直線を書きましょう。書き終わりの位置は、下の1/4あたりが理想です。はらったりはねたりしないよう、しっかりと止めてください。2画目を1画目と同じぐらいの長さにすることで、バランスの整った人偏を書くことができます。

「人」と人偏の美しい書き方のコツ

「人」や人偏を美しく書くためには、上記で紹介した書き方とあわせて以下の3つのコツも合わせて意識しましょう。

 

  •  線のぶれをなくす
  •  はらい部分は力を抜く
  •  漢字に合わせて人偏の大きさを変える

 

線のぶれをなくす

「人」も人偏もどちらも画数が2画しかないため、少しでも線がぶれるとどうしても目立ってしまいます。そのため、一画ずつ力を込めながらまっすぐな線になるように意識して書くことが大切です。力強い線を書くことで、文字にメリハリがうまれ美しく見せることができます。

はらい部分は力を抜く

「人」も人偏もはらいの部分があり、はらいで力を入れすぎてしまうとなめらかにならず美しく見えません。「人」や人偏を美しく書くコツは、はらいの部分に近づくにつれて少しずつ力を抜くことです。力を適度に抜くことで、きれいなはらいを書くことができます。

漢字に合わせて人偏の大きさを変える

「仕」や「仏」など旁の画数が少ない人偏の漢字を書く場合は、人偏を大きく書くことでバランスのいい文字になります。一方、「体」や「仮」、「位」や「低」など旁の画数が多い場合は、人偏と旁の大きさを同じぐらいにそろえましょう。そうすることで、全体的に美しい文字のバランスが仕上がります。

まとめ

漢字の「人」は、画数が少なくバランスが取りにくい漢字のひとつです。さまざまな熟語にも使われているので、正しい書き方を覚えて美しい文字をマスターしましょう。色んな漢字に使われている人偏も、「人」とはまた違った書き方ですが共通するコツもあります。

漢字には「人」以外にも書きづらいものが多く、すべてを独学でマスターするのは簡単ではありません。「人」以外にも美しい文字を書きたい人は、東京・自由が丘にある書道研究 尚美社にご相談ください。プロの書道家が、目的にあった本格的な指導をいたします。興味がある人は、お気軽にお問い合わせください。